奈良県には優れた伝統技術または技法によりつくられた工芸品が多く存在し、こうした工芸品は私たちの生活を豊かさと潤いを提供してくれます。現在指定されている伝統工芸品は、国より指定を受けているものと県により指定を受けている奈良県伝統的工芸品があります。
赤膚焼Akahada-Yaki Pottery
奈良市五条町付近で産する陶器。赤膚山焼,五条焼ともいう。陶土は西の五条山 (赤膚山) から運ばれる。白い土質で,淡い赤みを帯びた灰白釉をかけ,京焼風の上絵付けをする。江戸時代初期には遠州七窯の一つに数えられた。
奈良一刀彫(奈良人形)Itto-bori Carving(Nara Doll)
別名奈良人形ともいい、鎌倉時代、春日大社若宮の祭礼に用いられたのが始まりで、江戸末期巨匠森川杜園(文政3年~明治27年)によって一躍芸術品の域までその技術・風格が高められて今日に至っています。
阿修羅(仏像)Statue of Asura
インドの古代神話では戦闘神として登場し、帝釈天(インドラ)との戦いが有名だが、仏教に帰依してからは護法善神となり、八部衆に加えられた。2本または6本の腕を持つ異形の姿で表わされることが多い。
高山茶筅Tea Whisk(Chasen)
生駒市高山町周辺で生産された茶筌。室町時代中期に始まったという。高山茶筌の技法のうち特に味削りは、茶の味が変わるといわれる一番難しい工程で伝統の技術が必要になる。小刀と指先でそのほとんどがつくられる。
奈良印傳財布Nara Inden Wallet
印傳とは、印伝革の略で、羊や鹿の皮をなめしたものをいう。 細かいしぼが多くあり、肌合いがよい。なめした革に染色を施し漆で模様を描いたもので、袋物などに用いられる。名称はインド(印度)伝来に因むとされる。
梅干しPickled plums
ウメは中国原産で、日本には弥生時代に存在していたとの文献もある歴史の古い果樹。奈良県もウメ栽培が盛んで、出荷量は全国で4位(平成20年農業白書)、毎年約2500トンのウメが生産されている。
三輪そうめんMiwa Thin noodle
室町時代末期には宮廷料理として食され、江戸時代末期には一般にも賞味されるようになる。極寒の頃、良質の小麦と、水、食塩を主原料に、伝統の手延べで作られる素麺は、舌触り、歯ごたえすべて最高級の製品。
奈良漬けSweet & tangy brown pickles
慶長年間、奈良市中筋町の医者糸屋宗仙が白瓜を酒粕に漬けて作ったのが現在の奈良漬の始まりで、大阪冬の陣に徳川家康に献じてから有名になり、今日に至るまで漬物の王者と言われている。
茶粥Tea Porridge
江戸の初め、「大和茶」の産地だった奈良では、上納したあとに残ったお茶で炊いたお粥が茶粥の始まりだといわれている。奈良でお粥といえば茶粥で、さらっとしていて、粘りのないのが特徴。
大和茶Yamato Tea
大同元年(806年)に弘法大師が、唐より茶の種子を持ち帰り、宇陀に幡種して製法を伝えたのが大和茶の起こり。今では味と香りの「清浄大和茶」として、優れた品質を誇っている。奈良県が開発した新製法による粉末茶もおすすめの逸品。